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1999年10月 : この一本 ・ ゴールデンクレスト

永野美恵子 : 大分市



家の西南の隅にきれいな紡錘形をしたゴールデンクレストの木がありました。ありました。と過去形になったのは、ついこの前まできれいな紡錘形をしていたのに、今はまん丸い形になってしまったからなんです。何故かといいますと、先月(1999年9月24日)の台風18号の風で、大きく傾いてしまって、このままだと枯れてしまうというので、引き起こし、丈を詰めて、もう少し頑丈に育ってくれるといいな?という願いを込めて大手術をしたのです。

私の育った龍野(兵庫県竜野市)の家には「クリスマスの木」と呼んでいる背の高い木がありました。私たちがまだ小さな子どもの頃、父が、根っこをわらでくるんだ細い木を下げて帰ってきました。母がそれをきれいな陶器の鉢に植えました。


クリスマスが近づいた頃、姉弟4人できれいな飾り付けをしました。母が真っ白な綿を持ってきて雪が積もったようにしてくれました。座敷の壁には大きな窓の絵を描いた紙をはり、近所の友達を大勢招いて、皆で生誕劇をしてクリスマスを祝ったのを思い出します。やがて大きく育った木は植木鉢の中では窮屈そうだと庭に下ろしました。庭に植えられてもクリスマスが近づくと、金や赤のベルやモールで飾られ、豆電球をチカチカさせて、綿の雪を載せていました。道行く人々もきれいね、、と声をかけて下さっていました。子供たちが結婚をしたり、大学に行ったりと家に居なくなっても父と母はその飾り付けを続けていましたが、とうとう軒より高く成長してしまって、両親の手には負えなくなって、クリスマスの木もただの緑の木になりました。
私にはそんな木がどうしても我が家にも欲しいと思って、小さな鉢植えのゴールドクレストの木を求めました。すぐに庭に下ろしました。あれよあれよというまに姿良く育っていきました。そして12月になると、頂上に大きな星をのせチカチカとする電球を一杯飾り、クリスマスを祝いました。
いつまでも育ってほしい木です。背の高さが以前の三分の一程になりましたが、今年もまたクリスマスの木として活躍をして欲しい、来年も再来年もいつまでも。

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