1998年4月 ： この一輪 ・ 芥子の花
永野美恵子 : 大分市
今我が家の庭で一番勢いのいいのは、芥子の苗かもしれません。庭や、畑のあちこちで、もこもこという言葉がぴったりのような感じで、芥子の葉が繁っています。まもなく、その葉の茂みの中から、スマートな首を伸ばしてくることでしょう。そしてその先の丸い愛敬のある蕾が、ある日突然、パクリと割れて、オレンジ色の花びらを覗かせます。太陽が昇ると共に、そのオレンジの花びらは、ピンと反り返り、思いっきり羽根を広げて、太陽と競争するかのように輝き始めます。
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