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1999年6月 : この一本 ・ 山ぼうし

永野美恵子 : 大分市

が大好きで、細い1m位の苗木を買って来て植えたアメリカハナミズキが、転勤で大分の地を離れている間に大きな木に成長していました。縁あってまた大分に転勤することが出来、懐かしい我が家に再び住み始めた時には、見事な緑陰を作るまでになっていました。それがある年、可愛そうなことに台風で倒れて枯れてしまいました。
代わりに植えた木は、どうしてか馴染まずに駄目になりました。住宅地になる前は、小高い山だったという我が家です。山に生えている山ぼうしの方が馴染んでくれるかもしれないと、植木屋さんに植えてもらいました。少し幼い木でしたが、2年後から、白い花をつけるようになりました。花といっても本当は、苞といわれるものですが、、、


山ぼうしが白い花をつけると思い出す光景があります。
我が家の一人息子は我が家を離れて、東京の自由学園中等科に入学しました。親も子も本当に不安でしたが、学園の教育方針や先生方を信頼して離れていても祈りつつ過ごしておりました。その時に担任をして下さった吉良先生には、本当に親身になってご指導をして頂きました。
父母会で学園に行った時には、終了後、息子と一緒に夕食を食べるのが楽しみでした。学園から電車の駅までの道筋を、両側の家々の美しい木々の様子を見ながら歩いていました。
その時、目に止まったのが、見事な山ぼうしの木でした。2本の木が、花で真っ白になっていました。思わず足を止めて、きれいねーーと見上げていましたら、中から出てこられたのが、その吉良先生でした。なんと吉良先生のご自宅だったのです。生物の先生でもあった吉良先生は、「僕もこの木が好きなんですよ」とお話して下さいました。もう故人になってしまわれた吉良先生、山ぼうしを見る度に、吉良先生の柔和なお顔と共に、まだ体も小さく、半ズボン姿だった中学生の息子の姿を思い出します。今年も美しい若葉が茂り、白い花をつける山ぼうし。いつまでも我が家の土に馴染んで元気に大きく育ってほしいものと思います。

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