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2001年10月19日:ドイツの首都・ベルリンを去りヘルホードへ
今日はいよいよ今回のドイツ旅行の振り出しの地,ヘルホードに戻る日です.お天気は曇っていますがまずまずです.朝食後クラウスさんにホテルの裏の運河で写真をとってもらいました.夏はビヤホールも出来て賑わう所だそうです.
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そして9時過ぎにホテルを出発しました.車はすぐにアウトバーンに入りました.ホテルの裏のクリークにかかる橋を渡り,立体交差のアウトバーンを見たりひたすら西を目指して車は走ります.
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途中,休憩しました.ここは旧東ドイツの休憩所なのでとっても殺風景だというのはクラウスさんの弁です.コーヒーを飲みましたが観光バスがついてたくさんの人が入ってきました.ドイツは喫煙者がとても多いと思います.たちまち煙にいぶされてしまいました.私は店内のお人形と友達になりました.
アウトバーンは制限速度がありません,それぞれ自己責任で走っています.しかし,時々道路事情などによって制限速度が決まることがあります.ここでは120キロ制限がかかりました.道路は右端はトラック,左端は高速車,追い越し車線,真ん中は乗用車走行車線になっています.
行き先表示もアウトバーンは青色に白字と決まっています,夫はクラウスさんの隣に座って道路地図を広げて見ています.私はクラウスさんも大好きというクラシック音楽・バッハやブラームスを聞きながらその名曲の生まれたドイツの地を今、走っている!という幸せで一杯でした.
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「まだ壁が残っていますよ」というクラウスさんの声に目をこらすとアウトバーンの路側に壁がありました.そしてまた少し走ると今度は警備のための塔がありました.このあたり,壁の壊される前はどんな緊張がみなぎっていたのでしょうか.
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出発をしてから4時間近くアウトバーンを走り普通の道におりました.またのどかな田園風景が広がっています.私たちのドイツ旅行の出発点ヘルホードの街に帰ってきました.
果てのなき牧を駆りたり野菊揺れ
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昼食を食べるためにいいお店を探しています.途中でこんな道路標識を見つけました.珍しい標識です.この住宅の側の道は子供も遊びますから自動車は十分に気をつけて走ること,という印です.そんな道にパラソルを出しているお店がありましたのでそこで昼食にしました.
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ヘルホードで私たちは大変忙しい午後を過ごすことになりました.まず最初に佳英子さんのご主人のWitte氏にあいました.気さくな方で私たちにハンググライダーを見せたいということ.プライベートの滑走路を持っていて,そこでもうスタンバイして下さっていました.
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ご自分が飛んでみせてから「君の体重は?それなら飛べる」とあれよあれよと言う間に夫はWitte氏の後ろにくくりつけられた.左端がWitte氏です.オートバイのエンジンを積んだハンググライダーです.
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真っ青な大空に飛び立ちました.高く高く上がって上空にいたかと思うと大きく旋回して見えなくなるまで飛んでいきました.ここは農地がずっと広がっていて周りには家が点在しています.
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クラウスさんと私はカメラを持って見ていましたがちょっと心配になりました.するとまもなくハングライダーは無事に戻ってきました.
鳥になったようでとっても気持ちが良かったそうで家や森,農場がとてもきれいに見えたと夫の感想です.
今度はハンググライダーの片づけのお手伝いです.Witte氏がまた夫に聞きます.「君は運転が出来るかい?僕の後に着いてきて欲しい」Witte氏がハングライダーを運転し,夫がWitte氏の車を運転して私はクラウスさんの車に乗って格納庫までゆるゆると行きました.
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車はベンツの最新式のオープンカー,まだ買ったばかりとか.夫はとても緊張しながらもうれしそうです.こんなのに乗ってアウトバーンを走ると200キロは平気なんだろうな,などと大胆なことを呟いています.
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農家の馬屋の半分を借りて格納庫にしてあります.とても丁寧にハングライダーを片づけているWitte氏です.格納庫の中には同じようなハングライダーが4機も入っていました.
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Witte氏は冒険旅行家,人のあまり行かない地域を旅行するのが好きなんだとか,佳英子さんからも,アフガニスタンを抜けてインドヒマラヤまで一緒に旅行した話などたくさん聞きました.最後にオープンカーのトップがワンタッチで出てくる所を見せて下さって楽しい冒険の時間は終わりました.
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次に私たちのやって来たのは,ヘルフォードの大きなスーパーマーケットの催事場です.こんな案内が出ていて浴衣姿の女性が出迎えてくれました.案内には佳英子さんの名前も出ています.
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スーパーのお茶やさんの主催で佳英子さんが生け花のデモンストレーションをしています.和服姿の佳英子さんがたくさんの人に盛り花を教えていました.周りは盆栽を飾ったり,お花が生けてあったりします.そして日本のお茶をふるまっていました.お店のご主人からドイツ語での八女茶の説明を拝聴しました.
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美しくお花が生けられて喜ばれているご婦人です.
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今度は私が側で折り紙を皆さんとしました.鶴をおりました.ちょっと難しかったですが,さっさと折られる方もいてたくさんの鶴が出来ました.私は日本語で説明をしましたが一緒に折っていると気持ちが通じてうれしかったです.
次にクラウスさんが紹介して下さったのは,佳英子さんやクラウスさんの共通のお友達のグリーフさんです.閑静な住宅街のとても素敵な家に住んでおられて私たちの来るのを待ちかねて下さっていました.
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グリーフさんはピアノを弾いて下さる,奥様は紅茶を入れて下さる,その後は機関銃のような英語が飛び出して日本とドイツのことをどう思うか,日本の経済の将来はどうなると思うか,などと難しい質問攻めに会いました.
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79歳というグリーフさんですが,ご夫婦でとてもお元気です,私たちをドイツの温泉に連れて行って下さいます.大きなバスタオルを貸して下さってグリーフさんの車でバートに行きました.ここは私たちのドイツ初日に泊まったホテルのバートです.ロッカーのキイをもらって着替えてからシャワーを浴び,いよいよバートに入りました.
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20度から35度位まで様々な水温のプールがあり,本当はゆったりと楽しみながら入るそうですが,今日は時間が無いので次々にプールを移りながら体験してきました.
そして今夜のホテルに案内してもらい,グリーフさんご夫妻,クラウスさん,佳英子さん,私たちの6人でドイツ風酒蔵と言った感の素敵な居酒屋で賑やかにディナーを頂きました.とても忙しい,そして楽しい一日でした.
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