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2001年アメリカ・ドイツ旅行の記録


2001年10月28日:マンハッタンを歩く

今日から冬時間になったアメリカです.日曜日なので塚本氏は休日,奥様のかおるさんは教会へ,私たちはYangさんと待ち合わせでメトロポリタン美術館へ行きます.3人でロングアイランド鉄道でペンステーションまで行きました.道中,私はかおるさんとたくさんたくさんお話をしました.もっともっとお話をして居たかったと思いました.


ペンステーションでかおるさんと別れました.駅には9月11日のテロで亡くなった方を悼むサインがぎっしりと書かれた横断幕が貼ってあります.また,亡くなられた方へのメッセージもたくさん書き込まれています.日本人で亡くなられた方へのメッセージもありました.そして駅構内には警官,軍人とたくさんの方で警備をしています.


明日のワシントンへ帰る切符を買う方法を確かめてからメトロポリタン美術館へとバスで行きました.左はアムトラックの自動券売機です.右の写真はメトロポリタン美術館です.


私たちが少し遅刻をしたのでYangさんが大変心配をして探してくれていました.ごめんなさいね.そして入り口では持ち物検査があるので長い行列です.そういうことを考えて少し早目に来るべきでした.
最初にエジプト美術を見ました,後は,いつも来ているYangさんが上手に案内してくれたので疲れることなく素晴らしい展示をたくさん見ることが出来ました.


次は私の希望していたグッゲンハイム美術館に歩いてやってきました.ここもたくさんの人の行列,そして展示の入れ替えの準備でごった返していたので建物を見ただけで出てきてしまいました.


地下鉄で昼食を食べに中華街へ行きます.五番街の地下鉄駅のタイルがとてもきれいでした.


中華街に出るとそこは別世界のように人が溢れています.歩道を半分埋めて小さな露天が続いています.人を掻き分けてお目当ての飲茶のおいしいお店にYangさんの案内で入りました.おいしい飲茶をたくさん頂いて,今度は露天で果物を買いました.私は珍しい大きなざくろを買いました.


このあたりは警官がたくさん出て交通遮断をしたり警護をしています.この少し先がワールドトレードセンタービルのテロ現場になります.今日は慰霊祭があり,丁度終わった時間でたくさんの遺族の方々が帰って来られる所でした.私たちはその流れに逆らうような形でブロードウエィ通りを下りました. 車の通行を遮断された道路には遺族の方用のバスがたくさん停まっています.そして,テロの現場に近づくにつれてまだ何かが燃えている匂いがしてきます.歩きながら涙が出てきました.まだまだたくさんの犠牲者の方々が埋もれている現場です.そこではたくさんの人たちが昼夜を問わずに働いていらっしゃいます.私たちは人垣の後ろからテロの現場を見ることが出来ました.たくさんの人がいますが,とても静かです.誰とでもいい,この悲しみをお互い言葉には出さなくても目と目で癒しあう,そんな優しい気持ちになれる場所になっていました.しかし,このようなテロは断じて二度とあってはならない,決して許してはいけない,そういう思いも強くして頂ける場所でもありました.

何だかいたたまれなくて,また歩き出しました.歩道の側のビルのお店も開いてはいますがとても静かです.マンハッタンのミドルタウンやアップタウンの動に対して静といいますか,再生にはまだまだ時間がかかると思いました.小さな広場に野牛がいました.フランクフルトで見た牛と同じ株の上下を意味する牛の銅像です.この勢い溢れるブルに少し救いを感じました.


一昨日,再開したというバッテリー公園まできました.自由の女神が夕陽でまばゆく建っています.しかし,公園は人も少なくとても寂しい風景です.そして何より,ある筈のビルがない,物足りないスカイラインはいつまでたっても慣れることはないでしょう.右の写真は3年前に写したほぼ同じ場所からの写真です.


寒くなりました.帰ることにしました.地下鉄も再開していてそれに乗りました.ペンステーションの近くの韓国料理のお店で夕食を頂きます.ここもYangさんがよく来るお店ということでとてもおいしいキムチが食べられました.


Yangさんは私たちがおみやげに持ってきたマフラーを早速使ってくれています.とっても似合っていてうれしくなりました.
このお店はスープ専門店,ソーロンタンという牛の白いスープがおいしくて体が温まります,またチジミもおいしくお代わりをしてしまいました.


外へ出るともうすっかり夜でした.テロに会ったニューヨークは,少しずつ元気になっているようです.しかし,形を変え迫ってくるテロそのものを憎む気持ちは日毎に強くなっていることを感じます.絶対に許せないことですから.

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