>My inmost thoughts
 ~ユジンへ~⑨

君の笑顔を見ることができるようになった。
素直にうれしいよ。

ユジンさん

あなたは僕が疑っていた時も仕事は完璧だった。
そこに笑顔がプラスされた。
素直にうれしいよ。
ユジンさんの笑顔はやっぱり素敵だ。


でも、
君が手帳から落とした写真…
フィアンセにやさしく肩を抱かれて微笑んでいる写真。
少し、胸が締め付けられたよ…
ばかだな…
君は婚約してたんだっけ…
同じ微笑でも
僕に対する微笑と
違うんだろうな…

特別な微笑なんだね、きっと…
もっと特別な微笑みは誰に?
僕やフィアンセに対する微笑と違う微笑み…


ちょっと焼きもちやきたくなったよ。

「彼のどこが好きなんですか?愛しているんですか?」
「理由はなんですか?」

ユジンさん…
あなたはフィアンセのこと一生懸命話したね。
責任感があって、いい人で…
僕の思ったとおりだ。
君は本当にいい人だね…

あんまり沢山フィアンセのこと褒めるから、
いじわるしたくなったよ。

「チュンサンの事好きな理由は?」
君の寂しそうな顔…
しまったと思ったよ!
ユジンさん…

その顔だめだよ!
君の思い続けた人を
思い出しているその顔…
フィアンセに見せちゃだめだよ…

僕の前では思い出してもいいけど…
フィアンセの前では気をつけたほうがいいね…

本当は僕の前でも
してほしくないけど…
でも君は時折見せてくれる
天使のような微笑は
本当は僕の事好きなんじゃないかって勘違いするほど…
とても素敵だから…

本当はつらいけど…
君のその天使のような微笑、
何分でもいいんだ…
何秒だっていい…
勘違いするくらいの天使の微笑みを
僕だけのものに出来たらって…

ユジンさん…
君の思い続けた人は、
君の心の奥底にある人は、
僕とは顔は似てても、
似つかない人…

湖に行った時…
君の思い出の湖に行った時…
君は涙を見せて僕を見つめたね…

ユジンさん…
僕は思い切って君に言うことにした…
「こんなに美しい景色を見ないであなたは何を見つめているのですか…」
「悲しい記憶の詰まった思い出でしょう…」って…

そんなことじゃ誰も愛せないよ…

本当に言いたかったことじゃないけど…

もっと君に話したかったのに…
君に知ってもらいたかったのに…



君とふたりだけでゴンドラに乗った時、
君とふたりだけで仕事をしていた時、

僕は君の一生懸命な姿を見つめていた…
真剣な目を見つめていた…
時折微笑むその顔を見つめていた…



ゴンドラが止まってしまった時、
本当言うと僕は少しうれしいと思ってしまったよ…
不謹慎だね…
ユジンさん
君は少し警戒してたのかな…

僕が転寝をしている時、
側で僕を見つめる君の目は、
やっぱり僕を見つめているのじゃなかった…
うそでもいいから、僕自身を見つめてほしいかった…でも

君の思い続けている人へのまなざしそのものだった…
いつもの僕なら、
そのまま、受け止めてあげたかもしれない…
「僕のこと見て彼を思いだしてもいいんですよ」って…
でも…
僕も、
僕の本当の気持ちも見てもらえないの?
ユジンさん…
君には僕は、まだ死んだあなたの初恋の人にしか思えないの…
「死んだ人を思うのは愛ではないですよ」
ユジンさん…
君にとって一番つらい一言を僕は言ってしまった…

「やめてください!」
君は悲しみのまなざしをたたえて叫んでいた…
でも、もう僕は
僕の気持ちは止められない…

「あなたの事が好きだから、君の事を愛しているから…」


最初へ  続く


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