My inmost thoughts
~ユジンへ~⑦
「どの君が本当の君?」
君はこんな僕の質問に失望したんだね。
僕はまだ君の事がわからない。
最初に会った時の天使のような君。
お酒に酔って、涙を流す君。
そして…
僕の事を誘惑しようとした君。
いや、
誘惑なんかじゃなかったんだ…
僕は誘惑されても本当はいいと思ったのかもしれない。
心のどこかで、君を待っていたのだろうか。
僕こそ、無駄な思いをしていたのかもしれない。
彼女に泣かれて、君の部屋へ入って君の帰ってくるのを待っていた。
「ユジンさん、僕はあなたのことは女だと思わない」
この一言を本当に言う必要があったのだろうか。
あなたに関心がないのなら、
あなたの事、計算高い女だと思ったなら、
本当なら相手にしないはずなのに…
僕はわざわざ、君に会いに行ったんだ。
僕こそ、どうかしている…
彼女に対する潔白の為?
腰の軽い女だとののしりたかった為?
僕こそ、何を必死になっているんだろう。
何かが、僕をそうさせた…
ユジンさん…
まだ君のことわからないよ。
でも、わかりたいのかもしれない…
泥酔で倒れた作業員を解雇する僕に、
君は懇願したね。
僕が拒否したら、
その人は死んだ奥さんの命日だったからと言ったね。
僕は単なる作業員の言い訳だと思った。
でも…
「側で呼吸していた人が急にいなくなる感覚なんてあなたには
わからない…
何も変わらないのに一人だけがいない感覚…
あなたみたいな人にはわからないでしょう…」
そういって出て行ったね…
僕は何も言えなかったよ。
そんな思い感じたことなかったから…
そんな事考えたことなかったから…
ユジンさん…
あなたはどうしてそう思うの?
僕は知りたい…
僕が彼女の嘘に気がついた時、
君が僕の事を誘惑しているのではないと
その時わかった…
「誰かに似ている…」
その理由もわかった…
そして
「チュンサン…」
君がささやいたその人がもうこの世に居ないことも…
ユジンさん…あなたが
「何も変わらないのに一人だけがいない感覚、あなたみたいな人にはわからないでしょう」
この言葉が僕にとってすごくこたえた理由がやっとわかったよ。
ユジンさん…
僕は君に…
君にあやまらないと…
最初へ 続く
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