My inmost thoughts
 ~ユジンへ~28

今の僕にはもう空虚感しか存在しない…

ユジンを失って

僕の支えはなくなってしまった…

ユジンを愛してはいけなかった…

ユジンと出会ってもいけなかった…

もう10年前にその事がわかっていたのだ…

僕が父親さがしなどしなければ…良かったのか…

ユジナ…

そんな悲しい眼差しでどうして

僕に会いにきたんだ?

僕はもう君に会いたくない…

僕はもう君に会ってはいけないんだ…

「君の事愛していないとわかったから…」

こんな事を言わなくてはならない…

ユジナの悲しそうな目を見て…

僕は彼女の悲しみが僕に対してだけでなく…

彼女の愛する父親への失望からだという事が詠めた

ユジナ…

君はとうとう知ってしまったんだね…

あぁ…

君の悲しみを思うと僕はなんて無力なんだろうと思う

君は悲しみから床にしゃがみこんでしまった…

僕は思わず、彼女をかかえようと近づこうとした時…


「来ないで!」

君は泣きながら叫んでいた…

君の体の中に残されたせいいっぱいの叫びだった…

もう、

僕は君を守ってあげることさえできなくなってしまったね…

ユジナ…

君はその悲しみに押しつぶされそうになっても

僕は何もできないんだ…

ごめんね…ユジナ

母さんの言葉は、もう何も聞こえない…

もう何もわからない…

もうほっといて欲しい…
 
全身の力がぬけていくようだ…

疲れた…

気がつくと病院のベッドの上だった…

気を失った…

サンヒョクの父

何か大きな忘れ物を思い出そうとして

ぼくは床にくずれ落ちたのだ…

そのまま僕は逝ってしまいたかった…

ユジンのいない世界の中に

僕の生きるところはないのかも知れないから…

目覚めてしまった今この時を

後悔している…

昔の彼女が泣きながら僕に言った…

「二人して逃げなよ…あなたたちは何もしらなかったから…」

彼女はもう僕のことミニョンとは呼ばなかった…

チュンサン…

チュンサン…

僕がチュンサンにもどってユジンを愛した記憶は

ほんのわずかな記憶だった…

でも僕にとって僕の皮膚や呼吸や心臓の音さえも

変えてしまうくらい

僕の心はユジンの事でいっぱいになった


記憶…僕の記憶

思えば、この記憶さがしの旅が

僕達の運命に悲しい結末を刻みこんでしまったのかもしれない…

運命…

変えられるものなら…

変えてみたい…

ユジナ…

大丈夫…?

お父さんを恨んでは駄目だよ…

僕達の運命を受け入れることはできた?

僕はまだまだ駄目みたいだよ…






最初へ  続く

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