My inmost thoughts
~ユジンへ~25
記憶をたどる海の中へ
投げ出されている…
母さんのとなりに居る人…
この写真は…
いつも同じところで夢からさめてしまうんだ…
そして心持ち胸の鼓動が脳裏にひびいている…
夢のその先を見届けたいのに
いつも覚めてしまう…
僕の自覚しない意識の中で
無理やり封印をしているかのようだ…
「写真を撮りに行こう…」
僕はどうして君にそう言ったんだろう…
10年の間、僕達、いや、君の心の中には確かな記憶があったけど…
ふたりで写っている写真はなかったね…
今の記念に…
僕はそう思った…
写真店の主人が二人がとてもよく似ていると言った…
「とっても愛し合っているんですね…」とも
僕はその言葉を素直にうれしく思った…
ユジナ…
僕は心から君を愛している…
ファインダーを通してそう見えるのだろう…
よく似ている…
その時は何も思わなかった…
君の愛していた人と酒を飲んだ…
こんな日が来るとは思っていなかった…
彼と話して僕達は10年の時を埋める事ができたのだろうか…
「おまえの母親が恋に破れたから、ユジンと出会えたんだろ…
危うく兄弟になるところだった…」
良く似ている…
兄弟…
母親の悲しい声…
「母さん…僕のお父さんはユジンのお父さん?」
僕の体の中心で積み上げてきた大事なものが
細かく崩れ落ちていった…
雪の中で僕は大声で叫びたかった…
泣きたかった…
どうすることもできない…
僕に何ができるんだ…
ユジナ…
雪の中で君の笑顔を見た時…
僕は君を抱きしめる以外何も出来なかった…
君の温かい体温をこの胸に感じたら…
泣けてきた…
ねえ、ユジナ…
僕は声を殺して泣いたんだよ…
君にみつからないように…
普通じゃないかもしれない…
早く結婚したい…
ユジナ、君と結婚したい…
この結婚が誰にも認められなくても
誰に反対されようとも…
そして、この結婚にほんの一握りの明るい未来が残っていなくても…
すぐに結婚したいんだ…
僕達の結婚に嘘はないよね…
僕は君の不思議がる面差しに
決意を示した…
もう止められないんだ…
もう、誰も止めることはできない…
僕の心はもう君しか見えない…
いや…
君以外のものに僕は自ら幕を引いてしまった…
「神様、お許しください…」
最初へ 続く