My inmost thoughts
 ~ユジンへ~24


暗い闇の中…

僕はどこに居るのだろう…

僕は…

ここは…高校…

チュンサンだった頃…

ユジンはいない…

母さんの険しい顔…

「父さんは誰ですか?」

僕の声…冷たい僕の声…

母の写っている写真…

母の横には友人らしき男の人が二人…

僕は今、どこにいるんだ…


ユジナ…

君に会いたい…

目の前に轟きとともに激しい光が…


額に汗が滲んでいた…

胸の鼓動が耳に響くようだ…

夢…

すごく長い時間のような気がした…

朝…

夢だったんだ…

遠い日の記憶の夢…

僕の心の奥底に眠る記憶…

記憶を取り戻す事が

うれしいと感じていた…

でも…

この記憶は…僕の体中の細胞を

切なく悲しくさせるようだ…

思い出したいのに…

思い出すのが怖い…


朝の光…

今その光の中で生きている

今の僕は記憶の中僕じゃない…

ユジナ…

君は今の僕を好きだと言ってくれた…

その言葉だけが僕に勇気をくれた



久しぶりのスキー場…

君とふたりきりになれた…

君の微笑み…天使のようなその微笑…

この微笑が僕のだけのものになれば

出会った頃そう思っていた…

今、僕だけに、僕のためだけに微笑んでくれている?

ユジナ…

こうして今君の側に居られること…

夢のようだ…

「私、ここがとても恋しかった…」

君がつぶやいた…

「雪も、冬の風も、イ・ミニョンも…」

終わってほしくない…

冬が終わると…悲しくなるから…

僕は君のその言葉を聞いて
 
君の手をぎゅっと握った…

少し切なくなった…

記憶の僕が死んだ頃に

春がやってきた…と

そういう君の手を僕はもう一度ぎゅっと握った…

君が二度とそれ以上を悲しまないように…

もう二度と別れない…

僕達は別れちゃいけない…

そう思ったよ…

真っ白い雪で戯れる…

君はきらきら輝いていた…

子供のようにはしゃぐ君…

僕は君のすべてをこの目に焼き付けていたいから…

君の声も笑顔も、その眼差しも…

結婚…

いっしょにいたいからそう思う…

ユジナ…

君のお母さんに許してもらおう…

僕達の結婚を…

幸せな結婚をわかってもらうため…

でも…


どうしてなんだろう…

僕達の気持ちとは違う方向に

冷たい風が流れていく…
 
君のお母さんは悲しい顔をしていた…

ユジナ…

つらい…?

悲しい…?

君は悲しい目をして微笑んでいた…

そんな顔をしないで…

きっとうまくいく…


僕が上手くいかせて見せるから…

だから、ユジナ…

そんな目をしないで…

君がその美しい瞳に涙をいっぱい貯めながら、無理に微笑もうとする…

僕は思わず君の涙を指でぬぐった…

本当はおもいきり抱きしめたかった…

君をこの胸の中へ包んでしまいたかった…

君を悲しくさせる全てのものから

守るために…

でも、君を部屋まで見送るしかなかった…

今はそうするしか…

ユジナ…

僕のこの指が

君の涙の温度をずっと覚えているのだろう…








最初へ  続く

目次へ