My inmost thoughts
 ~ユジンへ~22

眠っていた記憶…
10年間、僕の心の奥底で眠っていた記憶…
ユジナ…
君はその記憶がずっとこの10年間という時間の距離の中で
失せること事もなく…
僕が存在するともしないまま、
君のその胸の中で
呼吸をしていた…

切ない呼吸だったんだね…
もう目の前から消えてなくなってしまったものを
ずっと胸の中にしまっていたような…

今、僕の中で眠っていた呼吸が少しずつ息を吹き返した…
その事を素直に喜んでくれる君に…
涙をながして喜んでくれる君に

僕はなにができるんだろう…


今やっと明るくなった僕のまだ思い出せない部分に
少しの恐怖を覚えながら…
少しずつ綻びそうな紙を一枚一枚、
この手で
僕自身の手ではがしていなかければ
ならない…

楽しそうな家族団らんの景色…
どうして僕が、その光景を見つめていたのか…

高校生の僕が君の婚約者と言い争いをしている姿…

僕はいやな奴だったんだね…
きっと…

「悪い思い出なんかないよ!」
君がそういってくれた事…
心に沁みるよ…

そう…
僕にとって辛い思い出までも
君はいつも心に留めてくれた…
僕の辛い気持ちを僕の心ごと包んでくれたんだ…

ユジナ…
10年前の僕の心までも
そうやっていつもやさしく包んでくれたんだね…
きっと…

「サランヘ…ユジナ」
この言葉をずっと言おうとしていたのは…
そんな君を愛しく思っていたから…

10年前と今の僕は変わらない気持ちなんだ…
君を愛している…

それは変わらない…

二人で買い物をしているとき
いっぱいの食料を入れながら、

君は「こんなに食べれない…」って笑ったね…
僕は君の料理だったら全部食べるつもりだよ…

そういった僕は君に微笑んで言ったつもりだったけど…

ユジナ…

君には本当の僕の心が見えた…
少し寂しそうに映った?

僕にとっての友達…

ミニョンの頃にはたくさん居たけど…

チュンサンとして…
すこし迷いがあったのかな…

僕の心を君はわかってしまった?…

君は僕に隠して友達に連絡していた…

僕にはわかっていたよ…

でもユジナ…

もし友達がきてくれなくても、
僕は君の作ったのもは全て食べる…

君の真心を感じるために…

君のおもいやりを体いっぱいに感じる為に…

心配そうにしていた君を

喜ばせた第一の訪問者は

まぎれもなく君の婚約者だった…

つらくなかった?

僕は君につらい事をしたんだって思ったよ…

でも、

君の心はどんな時でも周囲の人を

やさしい気持ちにさせるんだね…

やっぱり天使のような人だったよ。

僕の事を心ごと支えてくれて…

ありがとう…


僕の気持ちに少しだけまだ霧のかかっている記憶がある…

父親…

僕の本当の父親…

この事で、ある人に出会った…



君の婚約者だった彼の父親と…

僕は高校生の頃にこの人とどうして会ったんだろう…

「チュンサンは父親をさがしていた…」

ユジンはそう言っていた…

「その父親を探すことで君はお母さんを傷つけないか…」

僕はこの言葉が胸に残った…

母の気持ち…


チュンサンだった頃考えたんだろうか…

今、ピアノに懸命に向かう母を思うと…

僕の心の中の霧はこのままそっとしておいたほうが

いいのだろう…





最初へ  続く

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