My inmost thoughts
~ユジンへ~21
僕の意識しない記憶の中へ…
君の思いで連れて行ってもらう事はできないかな?
僕のつぎはぎの記憶を一枚のスクリーンに焼き付けたい…
無理かもしれないけど…
君の力を貸して…
ユジナ…
君の思いを僕に貸して…
君が10年間思い続けたチュンサンの事を
一度も忘れなかった僕への思いを…
僕達は始めてあったバスの中で…
君の頭を小突いた…
睨んだ…君…
君が学校の塀を僕の背中に登って越えた…
同じようにした…
まだ、僕は思い出せない…
自転車に二人で乗ってこの道を走った…
デスチャーでバレーボールをしだす君に少々面食らった…
こんな事もしたんだ…
フライングをした?
湖のほとりのベンチ…
ユジナ…
僕達は何をしたの?
君は少し体を固くしていた…
「二人で小さな雪ダルマをひとつづつ、キスさせたの…」
そういって恥ずかしそうにうつむいた…
僕達もここでキスをした?
「こうやって…」
僕は面白がって君の顔に近づいていった…
君はじっと僕を見つめていた…
ユジナ…
僕のキスを待っているの?
違う…
思い出している?
10年前のこの場所を…
そしてその時にしたキスを…
君は近づく僕の顔を寂しそうに見つめていた…
こうして僕の顔を見て、その頃の記憶がない僕に
気がついてしまったんだ…
ユジナ…
君との初めてのキスだったんだね…
思い出せなくてごめん…
湖に石を投げた…
ひょっとしたらそうしたかもしれないと思ったから…
「あなたのお葬式をここでやったのよ…」
君は湖を見つめていた…
僕はなにも覚えていないのに…
思い出になる事は何もしていないのに…
君は10年間ずっと僕のことを思っていた…
「私のために思い出そうとしているの…」
君が寂しそうにつぶやく…
そうだった…
最初はそうだった…
でも僕は思い出したい…
君の思い続けたチュンサンに
本物のチュンサンになりたいから…
君は僕がミニョンの頃に君に言った事
こんなに景色は美しいのに君はなぜ悲しい事を思い出すのか…
「もう記憶さがしは終わり…ここまでにしよう…」
昔の記憶も大切だけど、これから作っていく記憶の方が多いから…
ユジナ…
君はつぶやいた…
「私が愛しているのは、思い出のチュンサンじゃなくて
今目の前にいるあなただから…」
君をこの胸に抱きながら…
僕はうれしさに心が震えた…
ピンクの手袋…
僕は運転する車から見る小さな女の子の手袋を見て
胸騒ぎがした…
ユジナ…
君を僕の育った家に連れてきた…
僕の探し当てたところ…
ポケットにそれはあった。
この手袋は君が教えてくれた記憶だけど…
僕はこうして探し当てる事ができた…
ユジナ…
僕は手袋をかざしてみせた…
君は涙を浮かべて微笑んでくれた
僕が最後に約束をした場所…
僕はずっとたたずんでいた…
雪が舞っていた…
そしたら…
「好きなものは人…12月31日にここへ来たら教えてあげる…」
僕の声がよみがえった…
あの頃の僕の声が…
あの日…
君と約束した事…
そして君に言いたかった事…
「ユジナ…サランヘ…」