My inmost thoughts
~ユジンへ~⑳
僕達が最初に出会ったのは
バスの中で
ユジナ…君が僕の肩によっかかって居眠りしていたね…
僕が小突くと君はずっと睨みつけてた…
君の目を見ながら思い出したよ…
君の彼の事…
覚えているけど…少しだけ…
ユジナ…
僕は本当にチュンサンなんだ…
僕と君との思い出は本物だね…
今この腕に君を抱きしめ
君の体温を感じている…
涙があふれ出てくる…
思い出せて良かった…
でも…
これ以外は覚えていない…
もっと思い出そうとすると…
胸がくるしくなる事がある…
夢なのか…現実なのか…
ユジナ…
君が「大丈夫…自分自身を思い出したから」
そういって微笑んだ…
僕に安らぎをくれた…
もう君と離れることはないんだと…
うれしさがこみ上げる…
君の側にこうやって居る事は
僕に本当に許されたことなのだろうか…
そんな事も考えてしまう…
ユジナ…
こんな僕の気持ち…わかる?…
ユジナ…
君は婚約者がいたんだ…
僕の為に…
ごめんね…
僕が記憶を取り戻したことで、
また一つ悲しみが増えたんだね…
ごめんね…
僕の父親…
母さん…僕の父親はどんな人ですか?
この一言も母さんを傷つけたんだ…
昔…
きっとこんな事も聞いたんだろう…
もう…僕は聞かない事にした…
……
「愛する人には互いの心が家だから…」
君が言った言葉を覚えてる…
家なんて持たないと思っていた…
家…
君といっしょに過ごせる場所…
お互いの心が安らぐ場所…
ユジナ…
互いの心が家だから…
君と考える家の形
これが今の僕にとっての最高の幸せ…
僕が君に返さなくてはならなかった手袋…
僕はその事は覚えていない…
「12月31日に会おうって約束した…」
ユジナ…
君は静かに微笑んだ…
僕は君に会って何を話そうとしたんだろう…
僕はどうしても思い出せない…
そんな僕を見ている君の瞳は涙で膨らんでいた…
ごめん…
「私が覚えてるから…」
そう言って無理に笑っていた…
ユジナ…
ごめんね…
高校の友人達と集まった時、
僕達を見て、ひとり、ふたりと抜けていった…
「チュンサンがユジンの記憶にあった事で、もう一人がその記憶とずっと戦っ
ていたんだ…昔の皆の関係にもどしてほしい…」
友人の一人が酔いどれて泣いていた…
ユジナ…
僕はたくさんの友達を傷つけてばかりだったんだ…
僕の思い出そうとした記憶の中で胸が苦しくなる事…
君といっしょに居る事が許されることなのかと悩んだ事…
記憶が戻ることでつらくなる事の方が多くなるのかもしれない…