My inmost thoughts
 ~ユジンへ~⑰

僕の指が覚えている…



スキー場の時は自分で天才かと思った…

でも、その理由が少しわかったみたいだ…

僕はこの学び舎で君の前できっとピアノを弾いたのだろう…

今、指から流れるフレーズで

僕の心にあまずっぱい感覚が生まれた…

どんな風に弾いたのかな…

ユジンさんはどんな顔をして聞いてくれたんだろう…

笑顔で聞いてくれたのだろうか…

君のその顔が思い出せないのが悲しい…



「もう…アメリカへ帰ろう…」

ユジンさん…

僕はあなたを諦めます…

チュンサンであったほんのひとつまみの記憶が

少しの間、僕を切なくし、惑わせ

いつもの僕じゃなくなった…

いや…本当の僕だったのかもしれない…

でも、

僕はイ・ミニョン…



ユジンさんを愛したのは

僕の心の奥底に居たチュンサンではく…

ミニョンだった…

「チュンサンが戻ってきても私は戻らない…」

こう言ったあなたの言葉がよみがえる…

僕はミニョンなんだ…


君が衣装合わせに来てるなんて思ってなかったから…

僕は思わず透き通るような君の美しさに

一瞬目を奪われてしまった…

真っ白な花嫁衣裳に身を包んだ君は

本当に美しかった…

君が衣装の中に隠れてしまった靴がはけずに困っているのを

僕は手助けしようか一瞬迷ってしまった…

君の美しさに吸い込まれそうになったから…


こんなに美しい君を

僕はこの手にする事が出来なかった。

僕は君のポラリスになれたのかな…

ただ、君が僕のところへやってくる道を

照らすことはできなかった…


僕はミニョン…

チュンサンに似ていたから僕を愛したのでは
ないと君が言ってくれたこと…

うれしかった…

でもそう言った君の目が悲しく見えた…

本当はこの腕でそのまま抱きしめたかった…

この胸が張り裂けそうなくらい…

君を抱きしめたかった…



「結婚… おめでとう…」


ユジンさん…

君に送る僕のせいいっぱいの

さよならの言葉だった…




最初へ  続く

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