My inmost thoughts
 ~ユジンへ~⑮

久しぶりに会って
僕は小さな事件を期待していた…
小さな事件…

スキー場ではあっても
このソウルではあってはならない事…
もう冬が終わるこの地ではあってはならない事…

ユジンさんが僕の事を忘れていないと思っている…
ユジンさんが僕にただ会いたいと思っている…

そんな小さな事件…
もう一度…
もう一度だけ、あなたを見つめていたい…

僕のひとりよがりの妄想…

女性の扱いは慣れていたはずなのに…
恋はいっぱいしたはずなのに…

今、僕は君が離れて行く事で…
こんなにもうろたえてしまっている…
心と体の中の
大事なものが音をたてて
崩れてしまったようだ…

ユジンさん…
君でないと駄目なのかな…

僕はふと自分のおろかさを心の中で
笑ってみる…

君と彼が僕の前に姿を現した時、
僕は君が本当に幸せなのかって思ってしまった…
君の眼差しは少し寂しそうに見えたから…
本当はつらいのではないかって…

これも、僕の妄想…
都合よく僕の思っているとおりに
物事は都合よくいくはずはないのだから…

ユジンさん…
君を忘れられるなら、そうしたい…
君との事をずべてなかった事にできるなら…
そうしたい…

君の微笑み、声、姿…
全てが恋しい…

全てを忘れる…
出来ないのかな…

君と僕の出会いのきっかけは…
君の初恋の人
君の心の奥底ふかく眠る初恋の人…

僕はその人に今少し近づいてみたいと
思った…

初めて…そう思った…
そうしたら…
もう少し君といっしょに、側に居れる気がした…

忘れたいと思う気持ちと…同じくらい…
いっしょに居たいという気持ちがあふれ出てくる…

チュンサンがいた町…家、
少しでも彼の心に近づきたいと思っている…

ユジンさん
君の好きだった…人
僕は到底その人にはなれない…

でも…
決してなれる事はないと思っていたんだ…
なのに…

運命…

この言葉をこんなに呪った事はない…
ぼく自身が…
こんなに君を思っていた僕こそが
君の心の奥底に眠る初恋の
その人…


こんなばかげた話があるのだろうか…
本当なら僕はうれしいと思うのだろうか…
ユジンさんの思いつづけた
将にその人、チュンサンなんだから…

ユジンさん…僕がその人なんだ!
そんな事を言ってどうなるというのだ。

僕はそんな事が出来るだろうか…
出来る?

僕は…
僕は…
チュンサンとしての記憶は何もないのに…

ユジンさん…
君の彼は、僕がチュンサンだという事知ってしまった…
彼は僕に二度と君の前に現れないように
懇願した…
僕が君の愛した…チュンサンだから?
君の心の中へはチュンサン以外は
入れなかったから…?


ユジンさん…
君の友達の前でチュンサンはどんな存在だったの?

僕は君の友の前で
チュンサンの事を語り始めた…

友達の困惑の顔…
僕を不思議そうに見つめる顔…
君の彼の悲しげな顔…


おもしろいくらい僕は饒舌だった…
自分の事しか考えられない…
自分の感情を抑えられなかったから…
こんなにまでしてユジンさんを手にいれたかったから…
違う…
チュンサンに近づくため…
ひどい奴…
僕が…
僕自身が今一番いやな人間になってしまったみたいだ…
僕の記憶を返して…
愛する人との記憶を返して…

時間を返して…

心の中で叫んでいた…



最初へ  続く

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