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2003年9月15日:由布院の夜能鑑賞
秋の気配の色濃い湯布院の夕方です。
かがり火が灯された旅館「花の庄」のお庭です。昨年に引き続き、友達に誘われて、「由布院の夜能」にやってきました。
池の上の能舞台をたくさんの人が注目をしています。
まもなく第10回由布院夜能が始まります。
芝生の庭には、お弁当や豚汁、ビールなどを売るお店も出ていました。
プログラム1、舞囃子「小袖曽我」
能楽師・森本哲郎師による、能の説明、今夜の演目の説明がありました。
プログラム2、仕舞は「班女」
プログラム3、狂言は「附子(ぶす)」
ご主人様は太郎冠者、次郎冠者に留守番を言いつけます。桶をだしてきて、この中には附子という猛毒が入っているから注意せよ、と言い残します。
さあ、桶の中身が気になって仕方ない二人は、扇で盛んに風を送りながら、桶の中身をのぞいて、なめてみます。
すると、それはなんと甘い砂糖。全部なめてしまった二人は、、、、ご主人の大事にしている掛け軸や器を割ってしまいます。
やがて帰ってきて驚くご主人に、大事なものを壊してしまったお詫びに、死のうと附子を全部食べたが、死ねません。と言ったとさ。
プログラム4、能「清経」
源平合戦に出兵した平清経の妻のもとへ、大分の柳ヶ浦での夫の自殺を報せる使いがやってくる。
使いは淡津の三郎、形見の遺髪を届けに来ました。
泣き伏す妻の夢の中に現れた清経の亡霊。戦のむなしさに死を決意したことを語る。
愛用の笛をかなで、月を仰いで念仏を唱えて入水、修羅に落ちたが、念仏を唱えていたことで、成仏できたと告げて姿を消す。

最近の戦争反対の機運で注目を浴びるようになった清経だそうです。

秋の由布院夜能は、かがり火と相まって、我々を幽玄の世界へと誘い込んでくれました。