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2002年9月23日:由布院の夜能
今日は湯布院のお友達から「由布院の夜能」のご案内を受けました。

今年9回目になる「花の庄」浮き舞台で演じられる「夜能」です。
夕方、5時、私達は湯布院のホテル「花の庄」に着きました。きれいな夜能の看板が出ています。
お手伝いの皆さんは、鼓の絵を染め抜いた揃いの法被姿です。
受付を通り、お庭に出ました。池の上に浮き舞台があります。
芝生にはたくさんの座席が作られていました。
紅白の幕の向こうには、藁葺き屋根が見えて、何とも良い景色です。
そろそろ開演が近づきました。長い長いゴム長を履いた人が池に入り、懸かり火を灯しました。
いよいよ始まりました。
まず最初の演目は『仕舞:二人静』です。
あたりが夕闇に包まれていくと、舞台だけが浮き上がって幽玄の世界が広がります。
続いて『狂言:鬼瓦』です。

永く京に居た田舎大名がようやく国に帰れる。お礼に太郎冠者を連れて因幡堂へお参り。
屋根の上の鬼瓦が国の奥方に似ている、と泣き笑い。
休憩の後は、いよいよ『お能:橋弁慶』です。

五條の橋を通りかかって、少年に切りつけられたとほうほうの体で逃げて来た男、背中を切られたか、見ておくれ、と友達に聞き、ひどく切れてるぞ、とはやされたり、何でも無いと言われたり、でおろおろしてしまう、、、、、
その頃、五條の橋の上では、牛若丸が笛を吹いていた。
大分市の小学生が演じています。
毎夜五条橋に不思議な少年が現れて、人を切ると聞いて懲らしめにやってきた弁慶。大長刀をふるいますが、あまりに身軽な少年に反対に降参、源牛若丸と聞いて主従の約束を結びました。

有名なお話ですが、能舞台の上の二人はとても玄妙な世界を醸します。
なかなか、鑑賞する機会の少ない「能」を見ることが出来ました。それも由布岳のふもと、素晴らしいお庭の池に浮かぶ舞台で、演じられる「橋弁慶」何だか不思議な時間を過ごしたように思います。誘って下さったお友達、本当にありがとうございます。