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2001年5月4日:有機農業入門
とっても気持ちの良い日になりました。



今年の大型連休は、お天気がずっと悪くて雨ばかり、ようやく雨の上がった昨日は、たまっていた洗濯にお掃除と忙しく過しました。

そこで今日は、歩け歩けと出かけました。

皐月の空に泳ぐこいのぼり、明日5月5日は「子どもの日」ですね。
麦の穂の美しい田んぼの向こうには大分市歴史資料館の大きな瓦屋根が光っています。ここは豊後国分寺の建っていたところ、裏手にまわると、静かな寺域が広がり、木陰にはお地蔵様がたくさん並んでいます。
JR豊後国分駅を過ぎ、もっともっと歩け歩けでやってきたのはこの大きな桐の木が目印、友人の佐藤さんの畑です。「お天気が良くなったら、畑をするよ」と聞いていましたが、まだ姿が見えません。
それでは家に行こうということでまた歩きます。途中でお腹が減ってきたので、買い物をして大分医大の緑陰でお弁当にしました。

風に吹かれて食べるとおいしいです。
今度は佐藤さんの車に乗せてもらって一緒に畑にやってきました。ジャガイモが緑濃く葉を繁らせています。

メークイン、男爵、アンデスと植えてあるそうです。
佐藤さんはこの畑を借りて3年目、お勤めの傍ら、研究をしながら有機農業に取り組んでいます。

落ち葉や草を積み上げて、堆肥を作っています。ビニールで覆った堆肥を見せてもらいました。
「こちらを触ってみて」と言われて触った堆肥は熱を持ち発酵しています。
わらで囲った室の中ではさつまいもの芽だしがおこなわれていました。もっと芽が伸びて来たら畑に植えるんだそうです。
佐藤さんが家から大事に運んできたびんを取り出しました。木酢液で作った苗の栄養剤だそうで、にんにく、唐辛子、焼酎を混ぜてあります。
これを500倍くらいに水で薄めて、少し弱った苗にかけてやります。お隣の畑の野中さんが試しています。
薄めるための「水は天からの貰い物」です。倉庫の屋根の下に並べたドラム缶に雨水がたくさん溜まっていました。
佐藤さんと野中さんはこのふれあい農園のお隣同士、作物の育ち具合などよく相談しあっているそうです。

佐藤さんは研究しながら実践している有機農業をインターネットで発信したいそうです。今日は、その実際を見たい私達、説明を聞きながらたくさん写真をとりました。
作物は土がいのち、そして有機農業も、いろいろ考え方があるそうで、まずは土の違いを見てほしいと実際に畑の土を切って見せて頂く。左は植物性有機肥料の土、右は、牛糞を使った有機栽培の土、そして、、、
左は化学肥料を使った畑の土です。私が見てもあきらかに違いが分かります。

植物有機肥料の土はふっくらとして土の一粒一粒が空気を含んでいます。
一緒に植えたというトマトの苗を見比べてみました。左は植物性有機肥料の土で育っているトマトの苗、幹が太くて葉の緑がとても濃いです。右は、牛糞を鋤きこんだ畑の苗です。
先日、おみやげに頂いたカブとアスパラです。手をかけた植物性堆肥を使って育てられたお野菜はとても甘くておいしかったです。
今日の畑仕事の終った野中さんが愛犬・ラッキーとさよならをいいに来られました。いつも畑に一緒に来ているそうです。しっぽのクルリと巻いた元気の良いワンちゃんでした。
佐藤さんの「有機農業入門」のレクチャーもそろそろお終いです。

最後にレタスの苗を分けていただく事になりました。種から育った苗の小さなものを抜いてもらいます。

苗は小さいけれど、根は随分長く伸びています。これが有機栽培の特徴だそうです。まず根がしっかり育ち、それから上に育っていくそうです。

根を傷めないように丁寧に丁寧に堆肥と土をよく混ぜた用土を使ってポットに入れてもらいました。

春霞の向こうに薄っすらと高崎山が見えています。
畑の側にはきれいなあやめとツツジが咲いていました。
我が家に車で送ってきてもらって、さあ、今から「有機農業実践篇」です。

我が家の庭の隅に積み上げていた落ち葉を使っていまから植物性堆肥を作ります。佐藤さんの指導の元、夫は長靴に履き替え、香港みやげの帽子を被って大活躍です。
畑の隅に、落ち葉を積み上げならしていきます。先生の佐藤さんも汗を流して下さっています。
その上に、「ぼかし容器」に貯めていた台所ゴミを開けて、
EMぼかしをふりかけて、
また落ち葉を積み上げて、
またEMぼかしをふりかけて、水をかけて押さえていきます。
倉庫に置いていた鶏糞、油粕、骨粉をふりかけます。
その上に、粉炭をふりかけます。これはバーベキューに使った炭の残りを砕いて使いました。その後、水をたくさんかけて、押さえます。
その上からまた落ち葉や草をかけました。その後は、ビニールで覆って発酵を促すそうですが、今日は無いのでこれで本日の作業はお終いです。

時々、天地返しをして混ぜると良い有機堆肥になるそうで、それを畑に鋤きいれると見事な有機野菜が育つそうです。
佐藤さん、有機農業のレクチャーに実践篇、本当にありがとうございました。
お二人とも今日はお疲れ様でした。さあ、お茶にしましょう。佐藤さんの畑のおいしい有機野菜のかぶとレタスをどうぞ!クリームチーズやサワークリームをつけて召し上がれ!お友達の宮瀬さんのお家で育った夏みかん、私が昨日焼いた紅茶パン。たくさんどうぞ!汗をかいた後の午後のお茶はとってもおいしい!
我が家の畑でもおいしいお野菜が出来るのが今から本当に楽しみです。また汗を流しましょう。

2001年5月5日:昨日の植物性堆肥にビニールシートを被せました。
朝起きて庭に出て、昨日、奮闘して作った植物性堆肥の山を見て、何だかとってもうれしい気分でした。

今日は、早速、ビニールシートを被せました。上には重石を置いて、まわりは、土に埋めて、レンガで押さえました。

何だかますますうれしくて、何度も見に行きました。もう何となく熱を持って蒸れてきているようです。

2001年6月18日:植物性堆肥の天地返し
落ち葉を中心とした植物性堆肥を作ってから1ヶ月半がたちました。

今日は天地返しをします。
始めに比べると、随分、かさが減っています。そしてビニールシートをのけて、中を突き崩していきます。

とても良い堆肥になりつつあるのがわかります。
天地返しをしてから、EMぼかしを蒔き、ボカシ容器に貯めていた台所ゴミを混ぜ込みます。
さらに全体をよく混ぜ込んで、また積み上げます。
その間に私は、ニンジンの収穫をしました。
友人が持って来てくれた種を我が家の小さな畑に蒔きましたら、こんな見事なニンジンが収穫出来ました。

形は不揃いだけど、早速、昼食に食べて見ました。昔のニンジンのような、青臭い素朴な香りがしました。
夫は植物性堆肥をきれいにまとめて、またビニールシートを被せました。これでこの夏を過してみます。

気掛かりだった大仕事を終えて、満足!です。
汗をかいたついでに芝刈り機を持ち出してきました。とてもさっぱりとした我が家の庭です。

しかし、今夜は雨になるかもしれませんね。

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