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ゆふいん音楽祭 30周年YEAR
 大分県の温泉町湯布院町で開催される「ゆふいん音楽祭」は、日本で最も古い歴史を有する夏の音楽祭です。今を去ること29年前、地震で壊滅的な打撃を受けた鄙びた温泉町の人々は、音楽をすることで再び生きる希望を持とうとしました。音楽好きが集まり、当時この地で夏を過ごしていた九州交響楽団のメンバーの参加を得て、文字通りの星空の下の手作り音楽祭が始まったのです。

 その後、大分県は「一村一品運動」で知られる地域おこしの先端モデル地域となりました。町民有志の手で始まった音楽祭は、翌年に始まった湯布院映画祭と共に、湯布院町の特産物と認定されます。

 それから足かけ30年、日本も、湯布院も、ずいぶん変わりました。とはいえ、日本に最初にヴィーンの香りをもたらしたヴァイオリニスト岸邉百百雄、巖本真理弦楽四重奏団を率いたチェリスト黒沼俊夫、その弟子で同じくチェリストの河野文昭へと監督を引き継ぎながら、音楽祭は夏の温泉町を地味でもホンモノの音楽で満たしてきたと思っています。
 ゆふいん音楽祭に長く参加し、湯布院の街と人を愛するようになった鍵盤奏者小林道夫は、一昨年、東京を引き払い、湯布院町の町民となりました。夏音楽祭は30回目となる今年、湯布院の空気を吸い、湯布院の人々の中で生きる小林が、河野監督を引き継ぎ「ゆふいん音楽祭総合アドヴァイザー」に就任したのも、極めて自然なことでしょう。「若い人から音楽監督を引き継ぐというのも妙な話なので…」とはにかむ小林ですが、実質的には音楽監督を含む湯布院町の音楽文化活動すべてのお目付役という、日本のどの他の音楽祭にもない特別な役回り。文化の街湯布院のシンボルとして、大いに活躍が期待されます。

 2004年は、音楽祭記念年として、夏以外にも各季節毎に演奏会を行います。会場は昨年完成し、素晴らしい音響のホール兼美術館、空想の森アルテジオ。小林邸から由布岳を望みながら木立を抜けたところに位置するこの小さな美術館は、昭和レトロの湯布院町中央公民館と並び、今後のゆふいん音楽祭のメイン会場のひとつとして機能する予定です。

 年間予定など、プログラムをご覧下さい。まだ未定の部分も多いままですが、広報等、よろしくおねがいいたします。なお、問い合わせ、昨年の音楽祭のヴィデオ映像、写真資料など必要な場合は、東京事務局兼東京広報部渡辺和(yawara@ga3.so-net.ne.jp 電話兼FAX03-3531-5955)までご連絡下さい。
(2004年2月1日現在 ゆふいん音楽祭広報部 渡辺和)