湯布院 私のお気に入りスポット(No.4) 由布岳

October 5, 1996

しぶりの遠足の気分です。朝の目覚めは爽快、お空も秋晴れ、絶好の登山日和。いつもより少ししっかりの朝食、お弁当作り、梅干しを入れてちょっと塩を利かせたおにぎり、そして甘い卵焼き、、etc、デザートにはなしをむいて入れておこう。


主人のリュックに荷物は全て入ってしまう、私はウエストポーチのみの軽装で揃いの帽子。今日は軽登山靴でいいですね、いよいよ出発。車の中には温泉に入るための小物と着替えがちゃんと入れてある。

主人の愛車のシテイーは走りなれた国道210号線を湯布院へむけて走る、両側の田んぼは黄金色に実りの秋を迎えている、所々にはコスモスやすすきが揺れている。

布院の町を通り過ぎて急なS字カーブの道を登っていく。両側は山の上まですすきが銀色に揺れている。湯布院の街並みがドンドンと沈んでいく。湯布院盆地ということがここまでくると納得出来る。朝、早くこのあたりに立つと、湯布院の町がすっぽりと朝霧に沈んで幻想的な光景となる。ここは「狭霧台」という名所。こんどはなだらかな登りを少し走るとやがて別府湾に向かって道は下りになる。その峠にある休憩所がマイカーの駐車場。ここから由布岳へ登って行く。

のひもを締め直し、リュックをゆすってさあ、行こうかと主人の声で背筋を伸ばして歩きはじめる。バス道を横切って、柵を越えて由布岳のすそ野に入る。牛の放牧をしているので牛のための柵が作ってある。牧草の中に出来た細い道をたどって山のすそへ、そこにまた頑丈な鉄の扉。いよいよ登りにかかる。自然林が密生してひんやりとした樹林帯。道ははっきりしていて踏み跡もたくさんあって、今日はもう大勢が登っていったようだ。

ばらく歩くとまた、視界が開ける。「合野越え」だ。たくさんの人が休んでいる。私たちはそのまま歩いて先へ行く。由布岳の山腹の傾斜にジグザグに付けられた登山道を1歩1歩ふみしめて登って行く。このあたりは真冬には積もった雪が氷になってよく滑る所だ。小一時間歩くとやがて樹林帯を抜けてだんだん見晴らしがよくなる。そして足元にはすすきや野菊が揺れるようになる。

かし、私はその可憐な野菊を美しいと感じるより先に足が痛くてそちらが気になりだす。足が引き攣りだした、これは大変、この所の運動不足がそのまま足に出てきているようだ。ようやく2/3位登ってきているだろうか。下を見ると通って来た道を車が小さく走っている。見上げると青空に由布岳の頂上が突き立っている。さあ、頑張ろう。とっときのキャラメルを口に入れてまた歩き出す。

い足をなでながらそろりそろりと足を上げて手も使って最後の急坂、上から主人が両手を振って迎えてくれている。ご苦労さんの声にほっとする。ようやくコルにたどり着く。熱いお茶を飲みおにぎりを食べる。梅干しの入ったおにぎりのおいしいこと。あっ、飛行機だ、青空に銀の線を引いて飛行機が飛ぶ。


うやく元気を取り戻す、心地よい風がほほをなでる、私の山といつも同行する小さなスケッチブックを取り出して思い出を描く。

の痛みもひいたのでさあ、頂上を目指そう、このコルから右へ行くと東岳、左は鎖を使って登る険しい西岳、私たちは西岳に向かう。岩場はちょっと取り付く前はドキッとするけれど、登り出すとおもしろい、そこを越えるともう頂上は目の前、春にはかわいい花を咲かせる「ミヤマキリシマ」が群生している、頂上の狭い広場には頂上の印が立っている。先客にお願いして記念写真を撮る。

岳にもたくさんの人が登っている、標高は同じというからおもしろい。360度、景色が美しい、北は下関、山口まで見える、西は湯布院の町を見下ろす、南は阿蘇岳、東は大分の工場群から海を隔てて四国まですっかり見える。しばらく寝転んでうつらうつらと夢を見る。ずーーとこうしていたい心地よさ。

あ、もう降りるよ!という声にわれに帰る。後はひたすら下るのみ、湯布院の町営温泉で疲れた体を癒しました。本当に楽しい1日でした。


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