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10月16日、イランのじゅうたんを見てきました。  by Mie
大分市のデパートで開いていた「シルクロードの手技展(てわざてん)」を見に行きました。その中で特に私の目を引いたのは絨毯の数々でした。(あまりに素晴らしかったので、写真を撮ってホームページを作る許可をお店の責任者の方に頂きました)
様々な色や形、素材のじゅうたんがたくさん並んでいました。
額に入った絵が、、と思ったらこれもまた絨毯で出来ていました。
   

ガラスケースに入って大事に展示してあったこのじゅうたんは、ベースは絹100%、至る所に、金やパール、さんご、トルコ石などの宝石が織り込まれています。イスファハンのハーシェ工房の55歳の女性が1994-1997年の3年の時間を費やして織ったものとか。(サイズは102cm×69cm)
美しい女性が絨毯を織っていました。クムの有名なジャムシデイ工房の織子のフローラ・ジャスミンさんです。1977年5歳の時に母親からペルシャ絨毯の織り方を教わり、経験を重ねてきているそうです。
側には絨毯の模様の下書きが一応は置いてありますが、殆ど見ることなく織り上げています。50センチ位出来ていましたが、これまでに10ヶ月かかっているそうです。
上に色々な絹糸が下がっていて、それをさっと抜き取り、織りこんでいます。
会場にはイスラムのモスクの壁面を思わせる模様の絨毯がたくさん飾ってありました。どれもシルクロードの香りがします。
こちらは、ジャスミンさんの所属するジャムシデイ工房のシルクの絨毯です。
ペルシャン・ブルーに真っ赤なバラが一面に咲いています。
ジャスミンさんがやってきて、説明をしてくれました。「バラはイランの国花です。そしてこのバラの製品を見ただけで、私たちのジャムステイ工房の作品だと分かりますよ」ときれいな日本語でした。
絨毯を織る指を見せてもらった、長い長い爪を白と金のマニュキアで飾ってありました。
こちらは、アボルファズル・ラジャビアン氏の作品です、父親から織物を習い、父子60年にわたる歴史を持つラジャビアン工房の作品です。やはりイランの国花バラをモチーフに多色使いの美しい絨毯です。こんな絨毯をタペストリーとして壁に飾りたいなと思いました。
こちらは、今までのものとはうって変わって素朴な味の絨毯です。砂漠の遊牧民カシュガイ族の人たちが、一緒に暮らしている羊やらくだの毛をつんで、草木染めをして織ったものです。
パターンの下書きもなく、思いのままに模様を織りこんでいます。一番上と下にあるのが、キャメル・らくだの毛をそのまま使ったもので手触りがとっても気持ちがいいです。

砂漠で織り上げ、テヘランへ持ってきて、船に乗せ大阪に運ばれ、そしてこの大分にやってきました。思わずシルクロードの匂いがするかと鼻を近づけてしまいました。
都市の工房や宮廷によって何百年という伝統が受け継がれ繊細な味を出している絨毯、一方、遊牧民は素朴なままの技術を他の影響を受けることなく生活の中で受け継いできた絨毯、この二つの交わらない技術をそのまま目の前で見比べることが出来た素敵な機会でした。
その他、シルクロードの「手技(てわざ)」としては、銅器、アクセサリー、皮製品、衣類、家具などあらゆる国のあらゆる製品が並んでいました。
一度は、その国でその国の人々に混じってバザールで見てみたいものばかりでした。

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