5月29日、旧友を尋ねてニュージャージーへ


朝、7時。セントラルパークへ散歩に行きました。マンハッタンの高層ビルに朝日があたって輝いています。芝生はスクリンプラーが動いて水がキラキラと輝いています。マイペースでジョギングをする人、忙しそうにベーグルパンをかじりながら出勤途上のニューヨーカー、地図を片手の観光客とさまざまな人に出会います。
主人は緑に染まりながらのんびりとジョギング、そしてラジオ体操、です。
私はスケッチです。ここは深山幽谷を思わせます。セントラルパークは大昔氷河に覆われていたという話を以前テレビで見たことがあります。この大岩はその時の名残でしょうか。
セントラルパークを出るとこんな素敵な教会があります。その教会の後ろのテラスのあるビルが私たちのいるアパート、丁度真ん中の階あたりが私たちの部屋です。とっても眺めがいいのですよ。
朝の散歩を終えてアパートに帰りました。シャワーを浴びてかわいいキチンで朝食を作りテラスへ持って出ました。先ほど散歩してきたセントラルパークや高いビルを眺めながらゆっくり朝食です。メニューは、オレンジジュースに牛乳、コーヒー、ベーグルパンにハマスを塗って野菜サラダと一緒に食べます。ハマスは豆をペースト状にしたもので、不思議な味がするおいしい食べ物です。
今日は20年前に主人がシカゴで仕事をしていた時のお友達を尋ねてニュージャージー州までアムトラックで出かけます。上からぶら下がっている電光版に目的の列車が出てくると、プラットフォームの番号を確認して列車に乗り込みます。チケットは一人に3枚もあります。乗った確認用、車掌さんが列車のシートにもチケットを挟んでいきます。後の1枚は何に使うのでしたっけ。
小さな駅にお友達のシーさんが車で迎えてくださっていました。20年ぶりにお会いしたのですが髪が少し白くなってらしただけで、ちっともお変わりなくてすぐに分かりました。大きな素敵なおうちに奥様と二人暮らしです。
奥様はそれこそちっとも変わっていらっしゃらなくて、すぐに20年前に戻ったような気分でおしゃべりです。テラスで大きなお肉を焼いて下さいました。そういえばアメリカに来てまだステーキを食べていなかったなと思いました。
今は家や庭の手入れをしたり、ダンスやチェスを友達としたり、悠々自適の生活だそうです。庭の隅の畑には中国料理に使うニラがたくさん育っていました。そして傍らにはボタンが見事に花を開いていました。
お食事とおしゃべりの後で近くを案内して頂きました。独立戦争の時の北軍の基地となったモーリスタウンの牧場です。ここで2年間ワシントンは陣頭指揮をとったといいます。何万という兵士が厳しい冬を越すことは大変なことだったということです。私は丸太を割いただけの木を積み上げたこの牧場の柵の雰囲気がすっかり気に入りました。夕食は車で30分以上も走った所にある「聚豊園」というおいしい中国料理のお店に連れて行ってもらいました。話は尽きませんでしたが、いつかまたの再会を約して列車に乗りました。


駅名の聞き取れぬまま夏の旅

満開のボタンに故国慕ふ人


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