9時前、夫と散歩にでました。 大きな白い雲の塊が一杯空に浮かんでました。羊雲というのかな?最近天気予報で覚えました。
久し振りの由布岳との写真です。草が茶色、良く言えば金色になっています。 
いつも気になる、美しい形の田んぼ、井路のそばのあぜ道の草が黄金色、何とも美しいです。
 
稲刈りの終わった田んぼは、時々、もみ殻などを燃やしている所があります。穏やかな天候の中、煙が低く棚引いて、少しもやがかかったようになる、そして、萌える匂い、秋の風物詩です。 
 今日は私の誕生日、仲野さんに紹介された「湯平温泉の山城屋」さんへ泊りに行きます。そこで誕生日のお祝いを夫と二人でします。楽しみに行きます。しかし、道中は、昨年の7月豪雨の傷跡がようやく修復工事が始まった所です。あちこち、工事規制がかかって待たされます。
想像以上の工事風景で、たどり着けるのかしら?と思ったほど、本当に大きな被害でした。湯平温泉のお宿のご家族が非難する車ごと、流されてしまって、お気の毒なことでした。今も大きな岩やコンクリートの塊がゴロンゴロンと流されたままになっています。完全復旧はいつになるでしょうか。 
 山城屋さんの駐車場に着いて、電話をしたら女将さんが車で迎えに来てくださった、湯平温泉街は、川沿いの急坂の細い道で車はなかなか運転が難しいです。女将さんの車に乗り換えて坂を下って、山城屋に着いた。お部屋へ案内されたが、こじんまりとしたお部屋で、大きなお花が飾ってあった。誕生日のお祝いです、とのこと。
好きな浴衣で過ごせるお宿、早速、着替える。衣紋かけがあって、丸いちゃぶ台、何となく懐かしいお部屋。 
夫も浴衣と半纏に着替えて、いす式のこたつテーブルの椅子にかけてくつろいでいる。 
女将さんのお風呂の案内も聞いたので、迷わないように夕食前に温泉に入りに行く。気持ちの良い内湯、温泉かけ流しで良いお湯加減、のんびり、コロナ禍の中、久し振りの温泉宿です。 
このお宿は、かって、「寅さん」の映画撮影に使われたことがあるとのことで、館内に「寅さんのお部屋」というのがあるとのことで行ってみる。広い部屋の一方には大きなスクリーンが置いてあって、映画も見られるようです。そして、残りの壁は寅さんのポスターで一杯。びっくりです。 
寅さんの持つトランクまでおいてあって、ファンの方々があつまられるようです。夫の後ろには、トトロの大きな人形や、猫バスなどもおいてあって、ポスターも張ってある 。
 
夕飯の時間になったのでお部屋へ戻る。それではお食事を運びますねと、女将さん。
  
記念にお写真をと、女将さんが写してくださった。
先ずは乾杯は由布院地ビールで、そして、久美子さんがお祝いと言って下さったイタリアワインを開ける。グラスは、透けて見えると可愛いと思ってと、透かしの磁器をどうぞと言ってくださる。お料理がおいしいことでも有名なお宿、地産地消のお野菜などでどれも素朴な味でおいしかった。ワインの横は大分の豊後牛、また山城屋名物の練みそを塗った ナスの美味しかったこと、お土産に練みそを買うことに。
誕生日だけれど、ケーキが無いとおもっていたら、デザートに、可愛いチョコレートケーキが出てきて、これで満足、ワインとフルーツアイスなど、どれもおいしく全部頂きました。ごちそうさまでした。 
このお部屋のある建物は、元、湯平郵便局の建物だったそうです。色々建具を退けてしまうとガランと広かったので、和室、洋室に区切ってお部屋を作りましたとのこと、円いちゃぶ台には、持ってきたパソコンを繋いでいます。 
山に囲まれた谷底のような温泉地の夜は早くくれます。寝るお部屋はこの隣の部屋で素敵なベッドルームになっています。
12月11日、
静かな温泉地、ゆっくりと休むことが出来ました。朝は、露天風呂へ行くことにしました。階段を降りると、こんなお部屋がありました。
さすが郵便局だった名残が残してありました。ここは、お客様が切手を買ったりしていた窓口です。 
その近くにはこんな名残の品も飾ってありました。本当に郵便局だったのですね。今更ながらにびっくりです。 
露天風呂の窓からの西の山肌、太陽の光が照らしています。少しずつ夜が開けてます。とても良い天気になりそうです。 
岩に囲まれた露天風呂です。湯気で見えないですが、石灯籠や、真っ白の山茶花の花が咲いて居たり、とてもきれいにしてあります。 
露天風呂で良い気持ちになって出ると、朝食時間になっていました。朝食のお部屋からは、すっかり明るくなった山々が観えました。 
テーブルのしきりには美しい布が下がっていました。広々としています。まだお客様が少なくて、しきりの向こうには、男性が一人でお食事中でした。 
浴衣に半纏の温泉スタイルで、朝ぶろの後の朝食は本当に幸せな気分です。ここにも寅さんのポスターが張られています。 
朝食はお魚にお野菜、お豆腐など、本当に健康的でおいしいお料理が並んでいます。 
ご飯のお茶碗が蕪の模様、取り皿も蕪の絵、香の物のお皿も蕪、何だか楽しくて、集めて写してみました。 
窓からの景色、何だか不思議な景色で思わず目をこらしてしまった。坂道を覆うように枝が広がっているのは紅葉の枝でした。今が紅葉真っ盛りで美しい景色でした。 
 
山城屋さんの二階屋の景色、窓の外に張り出しが造られていて、昔の湯治宿などのお客さんがここに手拭いを干す姿など、昔の映画によく出てきていたような気がします。
ごちそうさまで出た廊下は寅さんが一杯でした。本当にたくさんのコレクションです。 

そのまま、ちょっと外へでてみました。ここが山城屋さんの表玄関です。彫刻家のお客様が持って来てくださったカオナシさん、湯平温泉い似合ってますとのこと。 
表玄関に続いて、私たちのお部屋、郵便局だった家が続きます。ちゃんと、赤いポストもあります。かおなしあんが似合うと言われた温泉宿の風情では、上に下がっている真っ赤な提灯がいかにも「千と千尋の神隠し」の街に似ているとのこと。
赤い提灯がどこまでも繋がっている湯平温泉街です。 
ちょっと坂道を歩きかけましたが、とても寒くなって来たので、旅館に帰りました。 
 小さな部屋に寅さん記念品30作目、、写真は寅さ映画男はつらいよ、花も嵐も寅次郎」(昭和57年12月公開)に出演したマドンナの田中裕子さんと相手役の沢田研二さんが写ってました。臼杵、別府の鉄輪温泉、そしてここ湯平温泉でも、撮影が行われたそうで寅さんの定宿が湯平荘という名前に設定されました。
今度は温かい服に着替えて、湯平温泉を散策しようと出かけました。山城屋さんからどんどん細い路地を下がっていきます。 
急坂を下り下りたところに花合野川にかかる橋があり、4つつじになっています。 
花合野川の橋に立って、赤いちょうちんと一緒に写しました。 
橋の上から上流を写す、川沿いの旅館は、以前によく来ていた「志美津旅館」です。 
  
 橋の下には、湯平温泉の源泉「金の湯」があります。「昔、木こりがここを通りかかったとき、一匹の老猿が何だかきつそうに、川端でお湯を飲み、おなかにかけたり、大石の傍で日光浴をしたり、木こりは不審に思って翌日も来てみるとまた同じ老猿が同じことをしている。数日たつと元気に帰っていった。驚いて仲間を集めて浴場を作ったのがこの温泉の始まり。この地庭には黄金があるとか、その金の汁が飲んで体に良いとか、金の湯のいわれです。
 湯平温泉の歴史は800年前の鎌倉時代にまで遡ることが出来るとか、300年前には花合野川沿いに造られた坂道を石畳の道にしたとか、古くから湯治客に愛されてきた湯平は大正から昭和にかけて多くの湯治客で賑わった湯平温泉です、、明治45年の大火で旅館や民家のほぼ全部が焼けてしまったそうですが、大温泉の需要があった湯平温泉は火災直後より共同浴場や旅館、商店、発電所などの再建が行われ、火災から約2〜3年程で以前よりも活気のある温泉街になったそうです。
左の建物はその当時に建った「えびす屋旅館」です。本当に「千と千尋の世界を髣髴とさせます。当時は別府温泉い次いで九州2番の温泉地で西の横綱と呼ばれたり、湯平駅前にはフォードのタクシーがきれいに整列した写真も残されています。昭和5年には俳人・種田山頭火が湯平温泉を訪れ宿泊して「しぐるるや 人のなさけに 涙ぐむ」という句を作ったことは有名ですし、寅さんの映画撮影が行われたこともは今も語られています。
坂道を下ると、私が訪ねたかったお土産屋さんがありました。青いテントのお家です。店に入ると、奥の部屋で休まれていたご主人が迎えて下さった。羊羹と温泉煎餅が欲しくて、というと、おいしいよ、と、仕切りの奥から、羊羹を煮る手を止めずに息子さんでしょうか、声をかけて下さいました。
今は観光客が少ないけれど、以前、羊羹の味を知ったお客様から今もこんなに注文の手紙が来ると、ご主人は見せて下さった。 
 私もその羊羹が欲しいです、と、柚子味、栗入り、きんつば羊羹とどっしりとした素朴な羊羹を求めました。また、一枚一枚手焼きの煎餅も頂きました。
コロナ禍で観光客が減った観光業振興のために、県がクーポンなど出しました。それの実施が今日からとのことで、旅館では宿泊補助、その街でしか使えないクーポンは、ここでの買い物と、使って帰りました。またかっての賑わいが戻ってほしい温泉街です。
旅館に帰ってきました。私たちの部屋のあるお部屋の玄関には郵便配達さんの帽子がおいてあったので、夫はその帽子を被り、赤い郵便ポストの傍で記念に写真を写しました。 
昨日の午後から、たっぷり、湯平温泉を楽しみました。景色、歴史、温泉、お料理、 お部屋、旅館の人達、全てが優しくて、素敵な所です。どうか、花合野川の氾濫後が整備されて、多くのお客様が戻ってきますように、本当にそう思いました。山城屋から急坂を登って、ご主人の車で上の道の駐車場まで送っていただきました。また来たい温泉場です。
  
旅館山城屋の50年来に亘る「大女将秘伝の味噌」をお土産に買いました。「田楽みそ」「からし酢みそ」「にんにくみそ」の3種類です。お料理は「茄子の味噌田楽」や「蛸の酢味噌がけ」「里芋の揚げ出し」などと用途は豊富、お宿のお料理にもおいしく使われていました。早速、今夜はお豆腐で、と思います。おみやげは湯平名産花川堂の「源泉華」 特産柚子入り一枚一枚手焼きです。昔懐かしい温泉煎餅というのかしら?本当においしいです。もっとたくさん買ってくるのでした。 同じく花川堂の名物は、柚子練羊羹、きんつば羊羹、栗羊羹、こちらも丁寧な手作り、コクがあって、おいしい。懐かしい味の羊羹です。
コロナ禍の昨年夏の豪雨被害にあって大きな痛手を負った湯平温泉、昔はよく行ってたのに、最近は遠のいていました。ぜひ、どこかで温泉宿に泊まりたいと願っていたら、仲野さんが教えて下さって行ってきました。久美子さんからは、ワインのプレゼントがあり、お宿での誕生パーティに花を添えて!とのうれしい言葉、私は79才の誕生祝を夫と二人で迎えることが出来ました。お宿の女将さんからの美しいお花もうれしいプレゼント、多くの友達に助けられてうれしいです。本当にありがとうございました。