2015年6月10日:大分アート風景
今朝はバスで大分中心地へ行きました。10時から大分市保健所大会議室で「大分市地域情報化推進委員会」が開かれるので、遅刻出来ない、と、早く出かけました。
《大手門正式には多門櫓門といいます。府内城の表玄関、大分大空襲で焼失、1965年復元》
早過ぎました、ということで、府内城の周りを散歩することにしました。9時過ぎというのに、ちょっと歩くと汗ばむ暑い一日になりそうです。

しかし、お堀を巡る散歩道は、やっぱり気持ち良いです。
人質櫓、1743年の大火で天守閣をはじめ 城内の多くの建物が焼失し、その後も、明和の大地震、安政の大地震、1945年の空襲にて損壊した建物が多い。再建されたものは少なく、この人質櫓と、宗門櫓が1861年文久元年に再建された貴重なものだそうです。
天守閣の北西にある松栄神社《1729年(享保14)年に6代府内藩主・松平近儔(まつだいらちかとも)によって近正八幡宮として現在と同じ場所に建てられ 、のちに松栄神社となる》の横にある稲荷神社に紫陽花が美しく咲いていました。
お城のお堀の周りをまわって、大分市保健所に来ました。階段の窓から見えるのは、大分市アートプラザです。会議が終わったら、ちょっと行ってみようと思いました。 
私たちが、大分市に転勤で来たころ、ここは、大分県大分図書館でした。 まだ小さかった息子を連れて、よくこの図書館へ通いました。

アートプラザの右、道路を挟んで見えるビルが大分市保健所、この6階が今日の会議の場所でした。
1966年、大分市出身の建築家磯崎新氏の設計により建てられました。1996年、県立図書館が新築され、移転に伴い、大分市が譲り受け、アートプラザとして活用されています。1.2階は市民ギャラリーなどに、3階は磯崎新氏が世界で手掛けられた建築作品の模型などの常設展示場になっています。

磯崎作品は撮影禁止、その両側の廊下、階段がとても素敵だったので映してみました。とってもきれいな緑と赤です。
いよいよ、今日、楽しみにしていたOPAMにやってきました。ここは、今年の4月24日に開館した大分県立美術館OPAM愛称オーパムです。 
美術館建設が決まって以来、楽しみにしていました。今までなかなかゆっくりと時間が取れなくて、今回は、たった12日間の展示という作品に 是非、会いたくて、楽しみにやってきました。大分の中心地の大きな道路の上に、オアシス広場からガラス張りの廊下が出来て、美術館へと行くことが出来ます。
この長い回廊を歩いていく間にも期待が膨らみます。
長い廊下を渡ると、道路向かい側に、たどり着きます。エレベーターもありますが、それをとりまくぐるぐるの螺旋通路で地上に降りて、美術館に入りました。 
その前に、気になるロゴ、大分県立美術館の愛称オーパムOPAMがキラキラ輝いています。見事な造形でこれは素敵です。資生堂化粧品のパッケージなどマーケティングデザインで活躍をされていたCDL 平野敬子×工藤青石(あおし)(コミュニケーションデザイン研究所)の作品だそうです。
建物そのものも素晴らしく、興味津々です。坂 茂(ばん・しげる)氏の設計です。大分の特性を生かした竹編みの雰囲気を出した天井や、壁面です。
また坂茂氏は、紙を使って(手軽に手に入る材料を使って)緊急援助のための建物を建てたりされています。ここには椅子や、壁面スクリーンに紙素材が使われていました。 
 先ずは食事をと思いましたが、長蛇の列で諦めて、先に展示を見ました。美術館開館記念「モダン百科繚乱大分世界美術館」と題した企画展、とても見応えがありました。今回、どうしても見たかった長谷川等伯の「松林図屏風」静寂の中に、松籟を聞く、いつまでもその中に居たいような、前に畳でも敷いてあると暫く座っていたいと思いました。
また、大好きなモンドリアンの「コンポジション」昔からいつかセーターに編み上げたいと思っている作品です。
藤田嗣治のフジタノシロの絵「仰臥裸婦」見ていて涙になりました。充実の展覧でした。
充実の作品群を見ていたら、さすが空腹に耐えられなくなりました。しばし観覧は中止、
二階のレストランに戻ってきました。ガラスの壁の前のスクリーンが優しい雰囲気です。もう2時が近い時間、さすが、お客様の波も引いていました。
どのお料理にも「久住の野菜を使ったサラダ」が付いています。そのボリュームが見事です。大きな小鹿田焼きのお皿に、元気なお野菜、美しいお野菜が一杯です。これだけで本当にうれしくなりました。 
メニューにクリームスパスタがあると、食べたくなる私、今回も、大分産冬菇椎茸のクリームパスタとコーヒーをオーダーしました。パスタは、サラダよりは少し大きな小鹿田焼きの器で出てきました。コーヒーは、美しいウエッジウッドに入っており豊かな気持ちになりました。
そして、元気倍増、1階の展示を見に行きました。絵画の他に工芸作品もとても充実していて、素晴らしかったです。その中に大分の竹工芸作品もたくさん紹介されていてうれしかったです。(今となっては、私の中では、1階3階の展示が入り混じっています)

1階の吹き抜けロビーには、大きな卵(マルセル・ワンダース作)が立っています。触っても良いとのこと、指で押すと、少しへこんで傾きますが、また戻ります。
子どもたちも最初はこわごわ、そのうちにおもしろくなって楽しんでいました。
長時間美術館で楽しみました。それこそ、この県立美術館の狙いそのものです。外の広場と、1階のアトリウムは、自由に行き来出来る空間になっている。美術展を見なくても、レストランに行ったり、ミュージアムショップを覗いたり、美術にあまり縁の無かった人も、自然に親しみを感じられるしかけになっている。私もまた、レストランで食事したい、カフェで友達と待ち合わせしたい、そう思わせる美術館でした。
今日は、朝から、大分の素敵な所を回ってきて、心地よい疲れの1日でした。
最後に、今日の一番の目的 「大分市地域情報化推進委員会」では、16人の委員が集まって、「第3次大分市地域情報化計画平成26年度進捗報告」を受け質問や提言が多くの委員から出されました。最後には平成28年から実施される「マイナンバー制度PR・DVD」を15分見ました。便利な時代になるでしょうか、新たな難しい問題が出てくるのでしょうか?しっかり見極めていきたいです。