2012年1月9日:ミニトリップ日出の「的山荘」へ
今日はお友達に誘われて、大分県日出までミニ・トリップです。おみやげに、こんなココア入りの四つ編みパンを焼きました。パンをカットしてみました。パンにマウスを当てて見てください。
西大分駅から友人のKさんと鈍行列車で30分ほどの旅です。こんな旅は初めてのような気がします。 
日出駅で下車です。のどかな田園の中の駅です。
日出駅へお友達のMさん姉妹が迎えに来て下さっていて、早速、Kさんと一緒にパチリと記念写真を写して下さる。
車で数分の所にある「的山荘」というお屋敷に案内して頂きました。的山荘とは、大分県山香町の馬上金山で金鉱を当てた福岡県の成清博愛( ひろえ)が惜しみなく財をあてて造った別荘です。今は日出町が管理しています。
長いながい塀が連なっています。KさんとMさん姉妹です。
こちらが入り口です。大きな門です。ここは大正4年に 成清博愛( ひろえ)(1864‐1916)が建築したものです。「的山」とは、鉱山を当てるという意味だそうで、 博愛の雅号(がごう)から名づけられました。,
江戸様式の切妻造、桟瓦葺(さんかわらふき)の腕木門(うでぎもん)を入ると玄関前のロータリーまで石畳の通路が続きます。ここをかって訪れた皇族の方々の記念植樹が何本もここに並んでいます。 
長い石畳を通って、ようやく玄関へ辿り着きます。玄関の石畳は美しい大理石でした。 

お正月の注連飾りとお花が飾られた玄関です。 
玄関を上がると内玄関です。見事な衝立の前に鏡餅が飾られています。
玄関を入ると、内玄関、応接間、続いて大広間があります。正面の「国本」と書かれた扁額は伊藤博文の書、天井のシャンデリアは、創建5年後くらいに電気が通じた時につけられたもののようです。 
屏風の後ろのふすまを開けるとまた素晴らしい障壁が出てきます。と、丁寧に案内をしてくださる支配人です。 
床の間にはこの地方独特の文化「鏝絵」が飾られています。
このお部屋は今はお食事をするお部屋になっていて、テーブルが並んでいます。お正月らしい富士山の絵が見事です。
18畳と、15畳二間が長く連なる大広間を取り巻く回廊です。長い長い廊下がピカピカに磨かれ光っています。   
この建物は皇族方の迎賓館として建てられたそうです。床の間を背に座った時、目の前に別府湾が広がります。
このお屋敷は、昔、この地にあった日出藩日出(暘谷)城三ノ丸跡に建てられています。縁側からは別府湾が見渡せます。お天気が良いと目の前に高崎山が見えるそうです。高崎山を借景として、別府湾を泉水にみなした雄大なお庭です。
足元には、鞍馬から運ばれたという見事な石が敷かれています。 
今日の食事をするお部屋に案内されました。縁側から眺めた別府湾です。お昼の太陽がうす雲を通して真上から光を投げ漣がキラキラと光っています。 
お食事が始まりました。美しいお料理に笑顔がこぼれます。「的山荘」のPB酒である二階堂のお酒「的山」に続いて冷酒「千羽鶴」が美しいお正月飾りで出てきて、感動です。
 
今日のお料理の数々です。左上から時計回りに、前菜・季節の盛り込み、お造里・天然鮃薄造里、炊き合せ・雲子のかぶら蒸し、焼物・イサキ南天焼き、油物・河豚の唐揚げ、水物・季節の果物
スタッフの方が、時代物の小さな机?を運んできて「帽子を置きますね、」と、クロスをかけて下さる、何事かしら?と思ったら、「今から火を使いますから蠟の油煙が・・・」とのこと。マウスを緑のクロスに当てて見てください。
銀色に光ったコンロに火をつけて熱くなりますから、と出て行かれる。

「強肴・特選豊後牛しゃぶしゃぶ」の始まりです。お野菜を入れて、グツグツ、そこへお肉をサラサラと泳がせて、ポン酢、ごまだれ、どちらがおいしいかな?と二味で楽しみました。  
 
ここで、おみやげの贈呈式!です。Kさんからは、ロンドンから届いたばかりのお皿とエコバッグ、そして、今年の干支の絵、「私、辰年です!」と喜ばれたMさんお姉さんでした。私からは四つ編みパンをプレゼント。
 
素晴らしい雰囲気の中で本当においしいお料理を頂きました。ゆっくりと流れる時間をありがとうございました。
 いつしか、陽は西の方へ動いています。今頃浮かんでいる船は海鼠漁かしら?この海辺は城下かれいと共に、海鼠も名産だとか。
明治40年、大分県山香町の馬上金山の採掘権を得た成清博愛、大正3年には全国一の高品位自然金を産出、日本一の産金額を記録するほどのゴールドラッシュとなった。
産出金を運搬するために使われた馬上丸の模型。成清が造った日出港からこの船で茨城県の日立精錬所まで送った、後に佐賀関に精錬所を誘致する、今の日鉱佐賀関精錬所の前身です。
お料理も建物も、成清博愛にも興味が沸く、素晴らしい「的山荘」の一日でした。

食後は、すぐ側にある、二階堂美術館へ行きました。 
冬季特別展『横山大観と日本美術院の画家たち』が開催されていて、ゆっくりと、見ることが出来ました。川合玉堂、川端龍子を含む、院展に参加した画家26人、29点を展示。第2部では横山大観34点の展示は見事でした。
Mさんと私は友達、Mさん姉さんとKさんも友達、Kさんと私は友達、と、人の繋がりの不思議を思いながら、本当に充実した時間を4人で過ごす事ができました。帰りは別府駅まで送って頂いて帰りました。
本当に今日はありがとうございました。Mie記