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2001年6月10日:磯崎新UNBUILT アートプラザにて
今日は所用のあと、大分市の中心部、府内城のお堀の側にやってきました。
お堀の前にはこんな建物があります。

大分出身の世界的に有名な建築家の磯崎新氏によって1966年に建てられた建物です。私たちが転勤で大分市に住むようになった頃は、県立図書館として有名で、子供と一緒によく本を借りに通ったものです。
1996年に新しく磯崎新氏の設計で県立図書館が出来たのを機に大分市民の文化情報の交流の場「アートプラザ」として生まれ変わりました。
磯崎氏の業績の常設展示と共に市民に開放されたスペースもあります。

今日は特別展「磯崎新展アンビルト建築史」の最終日でどうしても見たいと思ってやってきました。
久しぶりにやってきた建物です。
長いアプローチを歩きながら、絵本を抱えた息子の手を引いて登った日のことをちょっと思い出してしまいました。
2Fのアートホールでその展覧会がありました。

アンビルト、建設されなかった建物です。建設された建物はやがて古くなり汚れていく、しかし、建てられなかった建物は、何時までも人の心の中に残っていく。

磯崎新氏の活動が始まって約40年、
その40年間の仕事から10年ごとの代表作が紹介されていました。
1960年代の「空中都市」と「孵化過程」既成の都市の上に自由にジョイントできるコアを持つ新たな空中都市を造る。


(画面をクリックすると大きな写真があります)
1970年代の「コンピューター・エイディッド・シティ」コンピューターにより気候調節されたドームで覆われた都市。この時代には大阪エクスポお祭り広場の設計もなされここに展示されていました。
1980年代の「東京都新都庁舎」です。超高層化を拒否した建物、建物の1階は都民の集まれる広場になっている。
1990年代は「海市」と「シンセン国際交易広場」です。これは商業区、ホテル、あらゆる都市機能を公園の上に載せている。
各コーナーごとに、このようなスケッチなどふんだんに入れた解説があり、とても興味深く見ることが出来ます。
1990年代の「海市」の模型です。
1993年マカオ沖珠海市からの依頼に寄る字の如く海上都市、蜃気楼ともいえるもの。

以上は全て、UNBUILT実現しなかった建物とのことですが、私は実際にその建物の側に中に自分を置いてみたいと思うものばかりでした。
次は常設展に向かいました。廊下はこんな緑の通路になっています。
3Fの常設展示「Works in Progress」世界中で活躍されている磯崎新氏の日本と中国で同時進行中の建物の基本設計からの過程が展示されています。

これは、「中国シンセン文化中心」です。図書館と大小ホール。2002年9月完成予定。

(画面をクリックすると大きな写真があります)
建築というのは、何段階もの過程を経て初めてかたちになる、大変複雑な総合芸術だと改めて感心をしてしまう。

2003年3月完成予定の山口市文化交流プラザ
劇場と図書館になるそうです。
岐阜県多治見市に進行中の「セラミックパークMINO」のファサード模型です。2002年3月に完成予定です。
まだ他の部屋には、今までの作品や著書がたくさん展示してありました。アートプラザになってからゆっくり来たことがなかったのですが、とても素晴らしい展示だと思いました。今度はもっとゆっくり見てみたいと思いました。

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