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2000年5月22日、全国友の会創立70周年記念大会  by Mie
1930年に創立された全国友の会は今年、70周年を迎えました。その記念の全国大会が東京で開かれますので、大分友の会からも5名で出席をしました。

22日の午後、東京に着き、その足で、婦人之友社を訪問しました。
  
友の会は、羽仁もと子創刊の「婦人之友」の愛読者の会です。毎月、刊行される婦人之友誌から私達はいつもたくさんのことを学んでいます。誌上に紹介された洋服や、お料理の実物が展示されていました。
こちらは、同じく婦人之友社刊行の中高年向きの季刊誌「明日の友」に紹介された作品が展示してありました。
「シベリア生活を支えた物作りの習慣」という記事で紹介された木下敏氏のかわいい紙人形の数々です。写真で見るよりももっともっと小さくて繊細な人形に感動を覚えました。
こちらは4月25日に発刊されたばかりの本「男の独り料理」に掲載されているお料理の実物です。

一人暮らしを始めた子供達に是非、手元に置いてほしい本だと思いました。
池袋駅から数分の所にある目白の婦人之友社は、都会の中のオアシスのようなホッとする空間です。ここで市川友の会の小濱さんにあいました。ご主人の転勤で大分に来られた時に友の会で一緒に学んだ大事な友達です。

羽仁もと子さんの思想から生まれたもう一つの団体は、自由学園です。1921年にここ目白に、自由学園が開校しました。その校舎は当時、帝国ホテルを建築のために来日していたライト氏によって建てられ明日館と名づけられました。この度、重要文化財に指定され、傷みが激しいので保存修理が行われています。
ライト氏の建築として世界的にも貴重な明日館です。慎重な保存修理が行われています。完成の暁は生涯教育の場として活用されるそうです。
私達、九州からの出席者70余名は日本青年館が宿舎です。大分友の会の5人は佐賀友の会の方々と一緒に広い部屋に泊まりました。

いよいよ、23日、全国大会が始まります。
全国大会第一日目は例年、南沢の自由学園で開かれます。ラッシュアワーの電車を乗り継いで、ひばりが丘まで行きました。

日本中からの代表が続々と南沢の自由学園に集まってきます。校門に掲げられた大会の案内の前で大分の皆で記念写真を写しました。ここは、息子が中学、高校、学部(大学)と学んだ懐かしい学園です。
会場の自由学園記念講堂の決められた席に各地の代表が座って開会を待ちます。

今年の全国友の会70周年記念大会のテーマは「70年の感謝と希望・思想しつつ 生活しつつ 祈りつつ」です。大会3日間のプログラムと記念講堂の正面舞台です。
各地代表の入場、点呼に続いて、大会成立宣言、創立者の墓参報告、そして中央委員の大塚信子さまの礼拝、その後、各地の新リーダーの抱負、会員数の報告、自由学園学園長から祝辞を頂き、午前の部が終わりました。
自由学園の大芝生に193友の会からの出席者一同、906人が勢ぞろいをして記念撮影をしました。

その後、二手に分かれて昼食を頂きました。
毎年の大会初日の昼食は自由学園女子部の生徒さんが作って下さいます。
今年からは男子部高等科の生徒さんも食事作りに参加することになったそうです。家庭科の授業で週一度、男子部の昼食を自分達で作るそうで、今日のお料理は中学部の生徒達が育てた豚を使ったミートローフをメインに野菜スープ、ヨーグルトゼリーなどでした。

375人分を40名ほどの男子生徒さんが調理をして、羽仁吉一先生記念食堂でおいしく頂きました。
食事の席で男子部生徒さんによる今日のお料理の報告、また新入生(中学1年生)の寮生活の報告などがありました。
再び、記念講堂で午後の部が始まりました。毎週全校の生徒さんが励んでいるお習字の勉強を通して「自由学園の教育の報告」です。お手本はありません。一週間の自分を振り返って心に留めたい言葉を書きます。そのことを通して心が磨かれていく様子がわかりとても感銘を受けました。
友の会はバングラデシュの女性たちと台所を通じての交流を続けています。今年は第14次の交流団を派遣しました。
受け入れ側でご尽力して下さっている、アタウル・ラーマンご夫妻が友の会創立70周年のお祝いを述べにわざわざおいで下さいました。

その後は、永年友の会の中で使命を持って働いて来られた3人の方の報告があり第一日目を終了しました。
24日、大会2日目です。会場は日本青年館大ホール。ここは70年前に友の会創立の会を開いた会場でもあります。
全国からの出席1269人、来賓その他、54人と、羽仁もと子さんの創られた3つの団体、友の会、自由学園、婦人之友社の人たちが集まりました。

会場ロビーの受け付け風景です。
舞台正面には自由学園工芸研究所の協力のもと、岡山、広島、名古屋、札幌各友の会製作のタペストリーを配して美しく飾られています。演壇前にはバンコク友の会から贈られた蘭の花が飾られています。

開会を告げる中央委員の羽仁さわ子さんです。
勝木澄子さんの礼拝に続いて記念講演は「21世紀に生きる私達に大切なもの」と題されて西澤潤一氏が本当の科学技術とは人間性溢れるもの、愛深きものであるべきと私達の活動の大元に通じるお話をして下さいました。

午後は自由学園学部生によるお祝いのオーケストラ演奏があったり、また、21世紀に向けて歩む友の会活動には何が大切か、いろいろな立場から友の会活動を熱心になさっている方々からの提言がありました。

私達はこれで出席を終えて帰りますが、総リーダーさんたちは25日も提言に基づいて熱心な会議を続けて下さいます。
私も大会に出席させて頂いて、これからも「友の会とは何ぞ」を考えつつ、元気に歩きたいと思いました。

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